ehon-labo’s blog  本の小部屋にようこそ libro favorito

絵本の持つ言葉の力、絵の力は、 深く、広く、温かく、優しく、楽しく未来への希望へとつなげる 言葉の世界.。絵本は、広い未知なる宇宙です。

かもさんおとおり

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ロバート・マックロスキー:文&絵

渡辺茂男:訳

福音館書店

 

おまわりさんが素敵!!

こんな親切な温かな心のおまわりさんがいる!


ボストンという街、アメリカという国

いいなあと、

真っ先に思った絵本でした。

この絵本を最初に手にしたのは、1965年。

子どもが3歳の頃。下の子はまだ生まれていませんでした。

 

 

かもさんはたくさんの子どもたちのために

安全で育てやすいところを探し

そこへ家族中でお引っ越し。

 

アメリカで1941年発刊された時、

 

世界は第二次大戦へと向かっている時。

ボストンは、既に車がたくさん走っていた時代。

 

絵本は、

絵で、その街の様子や状況が読み取れます。

 

 

歴史の背景を考えながら絵本を見ると

違った人々の日常が見えてきます。

それは時として、

偏った一方的な情報からの視点と視座を

写だしてくれます。

 

誰がこの温かな街の様子から

戦争へと進む様子につながると思えるでしょうか・・・

 

平和な人々の生活と日常が、伝わります。

 

 

かもさん家族が 

車が往来する通りを無事に渡りきられるように

パトカーまで出動して

幼き命を守るお巡りさんの温かい心が

 

ボストンの街の全体の雰囲気を

平和で安心な街として

幼い心に届けてくれます。

 

ボストンはきっとその後も

その気質は変わらないと思います。

 

この本を読んだ子どもたちと、かつての子どもに

愛され続けている限り・・

 

心の深層に残る温かな愛は

その人の人生を支える土壌を

豊かにふかふかにしているのです。

 

忘れてしまっていても、

きっといざという時に思い出す愛の芽となって。

 

 

そうそう、随分前になりますが

日本でも、同じような光景が

皇居周辺から丸の内方面に、

かもさんの家族が一列になって

道を渡る映像が

テレビニュースで放映されたことがあります。

 

微笑ましい光景に、皆足を止めて見守っている様子。

 

子どもたちと、「かもさんおとおり」と

嬉しくなって歓声を上げていた思い出があります。

この映像を見られた方はいますか?


脇目も振らず急足や

スマホだけ見て歩く時代ではありませんでした。


地球上には

人間だけでなく、

小さな虫も、小さな草も生きています。


全ての生き物が共存できて初めて

地球が地球らしく青い美しい星になることでしょう。

 

飛躍しすぎかしら?

 

いいえ、そうは思いません。

 

ゆっくり歩きたいと思います。

大事なものを見つけるために。

大事なものを見落とさないために。