ehon-labo’s blog  本の小部屋にようこそ libro favorito

絵本の持つ言葉の力、絵の力は、 深く、広く、温かく、優しく、楽しく未来への希望へとつなげる 言葉の世界.。絵本は、広い未知なる宇宙です。

ムギと王さま

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『ムギと王さま』 「ファージョンの作品集」  岩波少年文庫

エリーナファージョン  作

エドワード・アーディゾーニ  絵

https://amzn.to/2QvSJZc

 

 

「ファージョンの作品集」の第3巻『ムギの王さま』のもとの題は
「ほんの小べや」"The Little Bookroom"

 

これは、70歳を過ぎた作者エリナー・ファージョンが
それまでに書いた子供のお話のうちから、
27編を自選して編んだ記念すべき本です。

と、
訳者・石井桃子さんの言葉です。

この本の中には、
編纂されているお話は多様で

子どもの現実的な生活をもといにしたもの
風刺を交えたこっけいなもの
昔話的なもの
などなど

多角的な、
多視点から驚くほどの世界を書き表しています。

カーネギー賞
アンデルセン
レジナメダル(子供の本に尽くしてきた労いのメダル)
など多くの賞があたえられました。

石井桃子さんが
最初に『ムギの王さま』を岩波文庫の一冊として
11編を訳したのが、1959年です。

次に
「岩波少年少女全集」として9編を加え
「ファージョン作品集」の一冊となって
初めて27編全部を収められました。

不思議な美しさを持つ
『パニュキス』を最後に入れることができて、 

責任を果たしたと
訳者・石井桃子さんは述べています。

 
一人の人間を愛し
その人の作品を愛し
その作品を評価しながら、

自分の作品を厳しく見つめながら
大人として成長したと
ファージョンの作品を
愛する訳者は分析されました。


イギリスの若い芸術家たちが、
田園で慎ましく暮らしながら
自然の中を歩き回り
豊かな心の交流に身を置いた様子が
垣間見られる世界です。

 
このブログの小タイトルは、
この広場に遊びたい思いから、お借りしてつけました。

児童文学の扉を開ける楽しみを
あたえてくれたファージョンです。