ehon-labo’s blog  本の小部屋にようこそ libro favorito

絵本の持つ言葉の力、絵の力は、 深く、広く、温かく、優しく、楽しく未来への希望へとつなげる 言葉の世界.。絵本は、広い未知なる宇宙です。

バスラの図書館員

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『バスラの図書館員〜イラクで本当にあった話』

ジャネット・ウインター:文&絵

長田弘:訳

 

 

この絵本は、実話から生まれました。

 

2003年春、中東の危機が報じられ

イラクへの侵攻が始まり

バスラの町まで及びました。

 

文化都市バスラの図書館の本を守らなくてはと

図書館員だったマリア・ムハンマド・バクルさんと街の仲間で

3万冊の本を守った実際に起こった話。

 

本が外部に運び出された9日後に

図書館は焼失。

 

 

その出来事を、アメリカのニューヨークタイムズ社が

報じた記事(2003年7月27日付) から生まれた本なのです。

 

バスラは、

世界に開かれた港で文化的なイラク最大の港町。


バスラの図書館は、

本を愛するイラクの人たちが集まっていたところ。

 

 

図書館員のマリアさんは、

本の守ろうと、街の人に呼びかけ

戦火の中、運び出したのです。

 

「図書館の本には、自分たちの歴史が詰まっている」と。

 

マリアさんの図書館では、

本を愛する人たちが集まり

世界の問題や、精神の問題を話し合う場でした。


戦いが始まりそうな空気が強くなっていく中で

図書館で語り合う人たちの話は、

 

 

 

これからどうなるのか

家族の命は守られるのか

生き延びることができるのか

爆弾が落ちるのだろうか

など、

 

心配と不安で

戦争がどの様に始まり

どの様になるのか

 

そして、

 

 

自分たちに何ができるのか・・

 

 

戦火という町中を焼き尽くす火が

歴史が詰まった本も、

跡形もなく消してしまう恐れは

耐えがたいものでした。

 

 

本は

黄金の宝よりも、

ずっと価値のあるもの。

 

マリアさんの思いです。

 

 

図書館にはあらゆる言語で書かれた本

古い時代の本

新しい時代の本

預言者ムハンマドの伝記(700年前)

 (紀元後610年頃にイスラム教を起こしたと言われる

様々なジャンルの本は

次世代につなぐ大事な宝。文化資産です。

 

 

図書館が破壊されてしばらくして、マリアさんは発作を起こし

心臓の手術を受けたとのこと。

 

療養中も、図書館の再建をみるまでは

守り切るという決意は揺らぐことはありません。

 

新しい自由の時がくるまでと

がんばっているそうです。

 

 

本を愛する人たちの思いは、深く

大切に後世に残そうと活動する人たち。

 

 

立ちはだかる困難な壁を前にして 

いつの時も、

 

問われています。

 

 

自分たちに何ができるのか・・・

自分に何ができるのか・・・