絵本・イワンのばか
イワンのばか
作:レフ・ニコラーエヴィッチ・トルストイ
訳:金子幸彦
絵本『イワンのばか』
文豪・トルストイの民話小品集の一編『イワンのばか』の
子どもたちに向けて絵本が出版されています。
欲も得も、持たない
イワンの生き方は、
世の中が、
高価だと思うもの、
価値があると思うもの、
得すると思うものに
全く逆のものを
大切に選ぶ生き方です。
これで、幸せになるの?
それで、生きていけるの?
と、思わず問いかけたくなる選択です。
周りの人は、
そんな無欲のイワンを、
馬鹿な人と思います。
金持ちになる知識がないことを
笑います。
読み終えると、
自分の今を改めて見直させられる思いです。
知識ではなく
持って生まれた知恵。
天から授かった大切な知恵。
シンプルで単純なこと。
知恵がなく、
人を疑うこともなく、
愚直でまじめなイワン。
大切なことは
「いいよ、いいよ」と
他者に優しく愛を分け与えることだけ。
そのことだけを
大事に、
他には、目がいかないほどの愚直な無欲さ。
滲み出る愛と、
天から授かったものを
十分に満ち足りた物として
足るを知るという生き方。
無私、無欲を
持って生まれてきたイワン。
幸せは、そこに生まれる。
きっと、イワンは楽園の作り手かも・・・
人間の本来のあるべき姿を
トルストイは問うているのかもしれません。