世界がもし人の村だったら
池田香代子:再話
C・ダグラス・ラミス
マガジンハウス
環境科学者・ドネラ・メドウス教授(Donella Meadows)(アメリカ・イリノイ州出身)が、1990年に「村の現状報告」(State of the Village Report)[1]と題して、世界を一つの村に喩えで、わかりやすいようにその時の現状を紹介した。小文を著した。
村にたとえて、人種、経済状態、政治体制、宗教などの差異に関する比率はそのままにして、人口だけを1,000人に縮小して説明しするという形である。
この村に置き換えたことでわかりやすく、インターネットを介し伝えられていくうちに、1000人の村が、100人の村にというもっと少ない単位に置き換えられ、状況に合わせて、部分的に加算や削除が行われネット上に流れていったもの。
まさに現代のネットを使っての人から人へとの伝承が、古の人から人へ口を使っての伝承のように。
まさしく現代の民話と池田氏がいう所以である。
再話として監修してまとめた池田香代子氏は、翻訳家でドイツ児童文学、中でもグリム童話をライフワークとしている。が、あらゆる分野での翻訳の数は多い。
日本では、2001年3月にアメリカ、ワシントン・DCで元世界銀行に勤務していたなかのひろみ(中野裕弓)が、同僚から受け取ったものを日本語に訳したのが、最初だといわれる。
同じ2001年12月にドイツ児童文学翻訳家の池田香代子とC・ダグラス・ラミスによって、再話および日本語に翻訳してマガジンハウスから第1刷発行された。
世界が、もし100にんのむらだったら(If the world were a village of 100 people)は、インターネット上でチェーンメールのように広まって、世界的に流布した世界の人々の相互理解、相互受容を訴えかけて今に至る。
2020年では、地球上の人口は約79億人近くと言われている。
国が違い、文化が違い、言葉が違い、宗教が違い、色々なものが違う人種が住むこの地球を、100の村として考えると、私たちの身近な状況と照らし合わせて考えられることから、今まで無関心だったこと、気がつかなかったことなどが鮮明に目の前に浮かび、唖然とすることだらけである。
宇宙飛行士が、広大な宇宙から地球を見た時、国と国の境がなくなり、美しい水の惑星、青い星に住む仲間だと感じると言われている。
100人の村であれば、100人の学校の友達であればと、置き換えればわかりやすい具現化だ。
多くの人にこれをつたえてほしいと作者不詳のこのお話は、今もネット上を介して、、広まっている。
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